かきくけこ

開発途上国の公害問題

開発途上国も工業化都市への人口集中で、先進国型の公害問題が課題となる。
特に人口集中はスラムの形成や交通量の増大で、大気汚染、水質汚濁、廃棄物問題が深刻化している。
これらの問題は、その地域・国にとどまらず、硫黄酸化物の大量排出による酸性雨やCO2排出量の増大という地球全体の環境問題に発展する可能性がある。
1990年の開発途上国のCO2排出量の割合は25%にすぎなかったが、2025年には45%、2100年には66%になるという予測もある。

外部不経済

経済活動は通常市場での売買を通じて行われるが、通常の市場外の行為で、他者に金銭的なメリットやデメリットを与えたりすることがある。メリットを与えることを外部経済、デメリットを与えることを外部不経済というが、地球規模の環境汚染等の環境問題は、市場の価格やコストに影響を与え外部不経済を引き起こす要因のひとつとなる。

化学反応過敏症

シックハウスはVOCなどの発生を換気等物理的に除いたり、中和剤で化学的に取り除くことが出来るが、いったん「シックハウス症候群」の症状が起こった人の中にはVOCの含有量が減っても症状が改善されないことがある。これを「化学物質過敏症」という。

確認可採埋蔵量

石油や天然ガスなどの資源の地下埋蔵量のうち、資源の所在が明らかになっていて現在の技術で採掘でき、その採掘が経済的に見合う条件を満たす埋蔵量。

可採年数

石油や天然ガスなどのある年の確認可採埋蔵量(R)をその年の生産量(P)で割ったR/Pのこと。現状のままの生産であと何年採掘が可能かを表す。2003年で見ると石油:41年、天然ガス:67年、石炭:192年、ウラン:85年

化石燃料

地中に埋蔵されている石油、石炭、天然ガスなどの資源のこと。古代のプランクトンなどの動植物が地中で化石化して生成されたもの。

感覚公害

感覚を刺激し不快感を受ける公害。騒音、振動、悪臭などがある。

環境会計

環境会計は、事業活動での環境保全のために投じたコストと、その活動によって得られた効果をできる限り定量的に測定する会計手法のこと。環境保全に投資したコストやその成果などを情報公開し、経営に活かす経営管理ツール。
環境省は、環境会計に関する共通の枠組みを構築することを目的として2000 年5月に「
環境会計ガイドライン」を公表、2002 年、2005年に改訂版公表。
環境省の調査(2004年度)では、上場企業及び従業員500名以上の非上場企業の環境会計導入率は28.2%(環境報告書の作成率は31.7%)
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環境家計簿

日常の暮らしの中でどの程度の環境負荷を地球環境に与えているかを計る方法として、エネルギー消費をCO2の重さに換算して計算するもの。

環境基準

政府が定める環境保全行政上の目標。人の健康と生活環境の保全をする上で維持されることが望ましい基準
関連:
土壌環境基準(土壌の汚染に係る環境基準)

環境権

1972年のストックホルムで開かれた国連人間環境会議で採択された人間環境宣言は、「良好な環境享受は市民の権利である」と述べている。日本でも憲法25条(生存権)13条(幸福追求権)として享受できるという考えもある。

環境効率

事業活動を行う時は必ず環境負荷が発生するが、出来る限り少ない環境負荷で製品やサービスの経済的な価値を生み出せれば環境効率が高いと考える。
環境効率=「製品・サービスの価値」/「環境負荷」
分子は「生産高、売上高、利益」、分母は「CO2排出量、原材料の量、エネルギー量、廃棄物量など」を設定。
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環境報告書

事業者が環境にどんな影響を与えているかを対策も含めて社会に事業者自ら情報公開をするもの。欧州、北米では多くの企業が発行している。
EUでは従業員500名以上の企業に対し、CSR情報の開示を求めている。日本でも環境配慮促進法が施行されて、国などの機関は環境配慮の状況の公表、特定事業者では環境報告書の公表が定められた。
関連:
環境配慮促進法 循環型社会形成促進基本計画
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環境倫理学

1960年代末から1970年代にかけての環境危機に呼応したさまざまな提唱が出発点。1966年にケネス・ボールディングやバックミンスター・フラーによる「宇宙船地球号」、1972年のローマ・クラブの「成長の限界」、1979年の「環境倫理学」創刊。
環境倫理学では、人間だけでなく地球上すべての生物や自然も生存の権利があるとする「自然の生存権の問題」、現世代の人間は未来の生存可能性に対して責任を持つという「世代間倫理の問題」、地球の生態系は閉じた世界であるという「地球全体主義」(閉じた世界では、資源の総量は有限であり、現世代の生存を優先すると将来の生存権が否定され、将来の生存を優先すると現世代の経済が破綻)を取り上げている。

環境アセスメント

開発事業の内容を決めるにあたって、それが環境にどんな影響をおよぼすかについて事業者自らが調査・予測・評価を行い結果を公表し、国民や地方公共団体から意見を聴き、それらをふまえ環境保全の観点から事業計画をつくりあげる制度。
参考:
環境影響評価法 愛知万博
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環境ビジネス

「環境ビジネス」経済協力開発機構(OECD)による環境ビジネスの分類(環境省資料2003年
A.環境汚染防止:装置及び汚染防止用資材の製造、サービスの提供、建設及び機器の据え付け
B.環境負荷低減技術及び製品
C.資源有効利用
この分類での環境ビジネスは、2000年から2020年までの20年間で約2倍の市場規模となると予測されている。

環境省はさらに環境に配慮した製品やサービスの需要や市場を誘発する事業を「
環境誘発型ビジネス」とし、市場規模は2000年の約41兆円から2025年に約103兆円になると予測。
省エネ型家電製品、低排出低燃費型自動車、環境保全型農業、エコファンド、リース・レンタル、自然鑑賞型観光
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環境マネジメントシステム(EMS)

Environmental Management Systemの略。企業や団体等の組織が環境方針、目的、目標等を設定しその達成に向けた取組を実施し、環境の継続的な改善を行うための組織の計画・体制・プロセス等のこと。
EMSの代表的な国際規格が、
ISO14001
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環境ラベル

製品やサービスの環境に関する情報を消費者に伝え、環境に配慮した製品の優先的な購入や使用を促進するための「環境に関するラベル表示」を環境ラベルという。
日本工業規格JISでは、
ISO規格に基づき、環境ラベルを3タイプに分けている。

<タイプⅠ環境ラベル>:学識経験者、有識者などの第三者が環境配慮製品の基準を定め認証するもの。
日本では「
エコマーク」が該当。海外では「EUエコラベル」「カナダ:環境チョイスプログラム」「ドイツ:ブルーエンジェル」

<タイプⅡ環境ラベル>:企業や業界団体が自主的に制作したもの。製品の環境改善や環境配慮の宣伝広告で使用。
OA機器の「国際エネルギースター」、古紙パルプを一定以上使用した「グリーンマーク」、古紙配合率100%の再生紙使用の「再生紙使用マーク」、PETボトル再生製品の「PETボトルリサイクル推奨マーク」等

<タイプⅢ環境ラベル>:タイプⅠタイプⅡと異なり、基準がなく製品の環境負荷をLCAによる定量的なデータとして表示し、環境配慮製品として判断を購入者に委ねるもの。ただしここで表示されるLCAの結果は第三者の審査機関で検証されたものだけ。スウェーデンやカナダで実施され、日本でも「エコリーフ環境プログラム」等がある。

<その他の環境ラベル>
資源有効利用促進法に基づき、指定表示製品に義務づけられる「識別表示マーク」がある。分別収集やリサイクルを促す目的で材質を表示。
アルミ缶、スチール缶、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装、塩化ビニル製建設資材
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カーシェアリング

一台の自動車を複数の会員が共同利用する形態。必要な時のみ自動車を借りる。海外から導入された制度。

揮発性有機化合物

ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど
関連:
土壌環境基準(土壌の汚染に係る環境基準)

京都メカニズム

京都議定書では、温室効果ガスの排出量を削減するための経済的手法として、「京都メカニズム」と言われる制度が導入さた。他国と協力してコストを低く抑えるの3つのしくみがある。
3つのしくみとは、
共同実施(IJ)クリーン開発メカニズム(CDM)排出量取引(ET)
関連:
京都議定書

凝集沈殿法

重金属による汚染防止技術に使用される技術で、排水中に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤を添加し、水酸化物などとして重金属を沈殿させる。

共同実施(JI) 京都メカニズム

JIはJoint Implementationの略。先進国間で共同して温暖化対策事業を行った場合、その事業によって得られた排出量削減量を投資参加国間の削減目標の達成に参入できる制度。京都メカニズムと言われる制度では、国内対策だけでなく、他国と協力してコストを低く抑えるの3つのしくみを目標達成に利用してもよいことになっている。
3つのしくみとは、
共同実施(IJ)クリーン開発メカニズム(CDM)排出量取引(ET)
関連:
京都議定書

クリーンエネルギー車(低公害車)

実用段階:電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ディーゼル代替LPガス車
次世代車:燃料電池車
参考:
社団法人 日本自動車工業会(略称:自工会)該当HP

グリーン・コンシューマー

グリーン・コンシューマーとは、次世代の子供たちに環境問題を押し付けなく自分達の責任を果たし、環境に配慮した消費行動・生活行動をとる人をいう。
関連:
グリーン・インベスター グリーン・コンシューマーの誕生

グリーン・ツーリズム

農村山村漁村地域で、自然やその土地の文化、産業とふれあい、地域の人との交流を楽しむ滞在型余暇活動。

グリーン・インベスター

自分のお金を環境に配慮した企業に投資したいと考える緑の投資家。
関連:
グリーン・コンシューマー
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クリーン開発メカニズム(CDM) 京都メカニズム

Clean Development Mechanismの略。先進国が開発途上国に技術や資金を提供し、その国に持続可能な開発を助ける温暖化対策を行った場合、その事業で得られる排出削減量を先進国の削減目標の達成に参入できる制度。京都メカニズムと言われる制度では、国内対策だけでなく、他国と協力してコストを低く抑えるの3つのしくみを目標達成に利用してもよいことになっている。
3つのしくみとは、
共同実施(IJ)、クリーン開発メカニズム(CDM)、排出量取引(ET)

関連:
京都議定書

グリーン税制

燃費効率がよく、排出ガス中のNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)などの有害物質を低減した自動車の自動車税や自動車所得税を軽減するための制度。2001年度より2年間の特例措置として導入され、2003年度には排ガス中の有害物質を75%減らす車に限って1年間の延長をしていた。2004年4月以降、軽減の対象や適用期間が変更となり、優遇措置期間は2004年と2005年の2年となった。
減税分は、性能の劣る13年以上経ったガソリン車、11年以上のディーゼル車の自動車税を重くすることでまかなうこととしている。
税金の軽減は、自動車の環境仕様に応じて毎年更新される。

光化学オキシダント

工場や自動車から排出されるNOx窒素酸化物などの汚染物質が、太陽光線を受けて光化学反応を起こし、二次的に生成されるオゾンなどの総称。
光化学スモッグの原因とされる。高濃度では目やのどへの刺激、呼吸器への影響がある。また農作物への影響もある。

光化学スモッグ

大気中のNOx(窒素酸化物)やHC(炭化水素)が太陽の紫外線により光化学反応を起こし、光化学オキシダントという大気汚染物質が生成され発生するスモッグ。

ゴミの処理(一般廃棄物)

1.直接埋め立てる。
2.焼却される。(発電、熱利用などが行われるケースも増えている)
3.焼却以外の方法で中間処理される。(粗大ゴミを処理する施設(破砕、圧縮)、資源化施設、高速堆肥化施設)
焼却と資源化が増加、埋め立てられる総量は減っている。

ゴミの残余容量、残余年数

残余容量:現存する廃棄物の最終処分場に今後埋め立てることが出来る廃棄物量を示したもの。
残余年数:現存する廃棄物の最終処分場が満杯になるまでの残りの期間の推計値。今後の埋め立て可能量(残余容量)と当該年の年間埋め立て量を比較して推計。2003年度の全国平均は13.2年であるが、地域的な偏りがあり山梨1.2年、埼玉4.8年、愛知6.3年。域外の施設を利用せざるをえない県もある。

コミュニティビジネス

地域に住む人々が中心となり、地域の資源を活用したり地域が抱える課題をビジネス的手法で解決し、その活動で得た利益を地域に還元すること。CBとも呼ばれている。地域の活性化や新しい雇用の創出など近年脚光を浴びている。経営主体は有限会社、NPO、協同組合などさまざまである。またソーシャルアントレプレナー(社会的事業家)や事業型のNPOなどとも近いものと捉えられている。
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