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横浜市エコデザインワークショップ2009 第4回レポート No.1<概要>




日時:10月27日(火)14時から17時  場所:横浜市工業技術支援センターデザイン室5F
<参加者>
吉岡精工 加藤誠司さん、福田勝さん 以上2名 http://www.yoshioka.co.jp/company/
山田工業所 山田豊明さん、内田進久さん 以上2名 http://www.yamadanabe.com/
遊緑地設計 伊藤雅広さん、森新之助さん 以上2名 http://www.ne.jp/asahi/homepage/u-ryokty/
横浜市経済観光局ものづくり支援課 岩本大さん 横浜市経済観光局ものづくり支援課 榎本まさひこさん
学生コーディネーター 小林英里、市民アドバイザー 水野貴美、市民アドバイザー 鈴木由美、
デザイナー 荒木孝、デザイナー 鈴木一好

<概要>
アイデアを「練る」回として、次のことを行った。
1. アイデア展開について(講義)
2. アイデア展開:ワークシート作成
3. アイデア展開まとめ:セッション
4. 本日のまとめ

<内容>
1. アイデア展開について
(1)各社の今後について
前回(第3回)終了時の各社の進捗状況や出ていたアイデアについて、デザインコンサルティング的視点から、各社ごとにアドバイスを行った。
(2)アイデア展開をするにあたって、「商品開発の目的と相手」についての講義
商品開発を進める上で重要な「商品開発の目的」と「商品開発の相手」について、第3回までの復習も含め講義を行った。

2. アイデア展開:ワークシート作成(100分)
第3回の「ブレーンストーミング」「ペルソナ」「ブランド戦略マップ」の内容をもとに、より具体的なアイデアとしての内容を練っていった。今回は「企画段階でカタログをつくる」というアイデア展開の方法を使って、この段階で必要な項目を各社ごとに洗い出しながら、アイデアをまとめていった。
 前回同様に、各社ごとにテーブルに分かれ、 またデザイナー、市民アドバイザー、学生アドバイザーも各社のテーブルに入り、一緒にアイデアを練っていった。
カタログ作成(ワークシート記入)の作業は、次の手順で行った。
step1 ネーミング(商品の方向性を表す)
step2 商品のプレゼンテーション(プレゼンテーションの柱) 
step3 その背景(柱の裏付け)
step4 使用場面
step5 商品の特徴
step6 商品イメージ
step7 仕様、サイズ 等商品のス ペック
step8 商品の三面図

3. アイデア展開まとめ:セッション(各社10分)
作成した「カタログ」をもとに、各社ごとに「商品のアイデア」をプレゼンテーションし、デザイナー、市民アドバイザー、学生アドバイザーと意見交換を行った。作業時に同じテーブルにいなかったメンバーから視点の異なる意見も出て、活発な意見交換の場となった。

4. 本日のまとめ
ワークショップとして同じプロセスで進行していったが、参加企業3社の特徴が出た「商品のアイデア」となってきた。次回は「カタチにする」回で、今回まとめたアイデアをユーザー視点からの検証を目的としたペーパープロトタイピングを行う。
今回で全8回のワークショップの半分が終了したので、この段階でのアンケートを最後に行った。

<考察>
各社ごとに業務内容も異なり、商品開発の経験も異なるが、それぞれの特徴を活かした「アイデア」と「商品化へのプロセス」が見えてきた。各社とも、まだ商品化への確証を得る段階には至っていないので、次回の「カタチにする」回で、さらに具体的なアドバイスを行う必要があると考える。
  

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横浜市エコデザインワークショップ2009 第4回レポート No.2 <ワークショップの状況>



吉岡精工
グループメンバー:加藤誠司さん、福田勝さん、岩本大さん、鈴木由美
 
1. 前回終了時点での方向性
 ・文具(吸引機能を利用したボードなど、)
 ・摩擦を軽減する事によって負荷が小さくなり楽になる製品
 これに関しては、介護現場で働く方のお話をうかがう事により、こうすればもっと楽になるなど、吸着機能や摩擦軽減機能の活かし方のヒントをもらえるのではないか。

2. アイデア展開前のアドバイス
 参加企業の中で最も革新的な商品が生まれる可能性があるが、それまでに時間が必要である。中長期的な戦略として考えることが第1ではないか。例えば、同社の技術ポーラスチャック、会社全体の環境に配慮した取り組み等、既に環境分野での社会貢献が多くあると思われるので、この機会に同社のCSRを整理することを始めたらどうか。同時に今出ているアイデア、特に環境、介護福祉に関する分野は、現場やユーザーの現状を調べる必要があるので、それらのリサーチを並行して行うのが良いと思う。また、CSRに関しては印刷物にしなくてもCSRレポートとしてネイティブデータを社内で持っていれば、これからの企業活動でのグリーン購入等の対策に当てることが出来る。

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3. アイデア展開
 前回出たアイデアについてさらに議論を深めた結果、ポーラスチャックの吸着機能よりもまたは浮揚機能を活用するアイデアに発展した。介護にも便利な浮揚する座椅子、ゲームへの活用等のアイデアが出たが、最終的には「人間エアーホッケー」としての仮説を立てることにした。特徴としては「微細な穴からのエアーの吹き出し」それによって「小さな力で重いものを動かす」「浮かせる+移動」「電源は電池でも可」等。靴部分と機構入りのリュック部分からなる。

4. 今回終了時点での方向性
 最後のセッション時の意見交換では、地震等の非常時に電源が入って貴重品等の固定・解除が出来るようなもの、物流での大きな荷物の移動等のアイデアも出た。同技術を使った商品に関しては、今後さらにいろいろなアイデアが出る可能性を感じた。

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遊緑地設計
グループメンバー:伊藤雅広さん、 森新之助さん 、小林英里

1. 前回終了時点での方向性
 ・楽しみながら自然を学ぶカルタ(カード)
 ターゲットは、小学生を子に持つ「お父さん」「お母さん」、「学校の先生」「塾の先生」。
 方向性のアイデアには次の様なものが見られた。(コレクション性のあるカード型。最近子供たちの間で流行っているカードゲームの要素を取り入れる。植物などのキャラクター化。子供たちの興味を引くキャラクターを通して植物の特徴を知る。特色ある植生を地域ごとにシリーズ化。山、海辺の植物シリーズも考えられる。学校などで子供たちがカードを作る。教材を使った自然体験イベント。地域密着型、地域限定で発売。等)

2. アイデア展開前のアドバイス
 同社は設計事務所、デザイン事務所であるので、どのようなアプローチを取るにしても自由度が高いが、反面目的を明確にする必要がある。そこで「デザイン事務所のビジネスモデルの構築」を目的にして、それを企画の切り口にしてはどうか。例えば通常業務(設計)は労働集約型である。それを補完するための別事業として捉えるか、本業の販売促進のためのツール作成として捉える等も考えられる。また、同社がリーダーとなっての公園づくりや遊び場づくりのシクミのデザイン(例:遊び場会議)を考えても良いのではないか。

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3. アイデア展開
 前回のアイデアに関連する部分から入ったが、本業に関連する部分での受注型からの脱却、ビジネスチャンスの拡大等、設計事務所としての問題点の整理や意見交換を行い、最終的には環境分野での社会貢献型のビジネスとして「屋上緑化」への展開に至った。

4. 今回終了時点での方向性
 設計事務所の本質的な議論も行ったため、まだ具体的なカタチまで辿り着いていないが、「屋上緑化」「壁面緑化」に関しては需要が拡大する分野であるし、現在はまだ大手が「研究+実践」のレベルなので、十分検討に値する方向である。

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山田工業所
グループメンバー:山田豊明さん、内田進久さん、榎本まさひこさん、水野貴美

1. 前回終了時点での方向性
 ターゲットは、「40〜50代男性(既婚)」「20代新婚夫婦(親類からの結婚祝い)」
 現時点では、中華鍋のアイデア、それ以外のアイデアの両方がある。

2. アイデア展開前のアドバイス
 参加企業の中では、最もものづくりの経験がある企業であるが、今回の商品開発はマーケティング戦略として捉え、マーケティングの4P「製品」「価格」「流通」「プロモーション」で考えてみてはどうか。「プロモーション」から考え、パブリシティーで取り上げられることや主婦のクチコミやブログでの広がりを想定した「商品の発想」をしてみてはどうか。

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3. アイデア展開
 「中華鍋の会社がイタリアン鍋を作った!」という切り口で、「熱しやすく冷めやすく味がよくしみ込む」という特徴を活かした「新しいエコクッキング」を提案。特徴としては「弱火でOK」「チタンは体に入っても心配ない」「本当の野菜の色が出る」さらに「鍋と把手を一体化させてそのまま食卓に出せる」等がある。

4. 今回終了時点での方向性
 「中華鍋の会社がイタリアン鍋を作った!」というコピーはパブリシティーも期待できるし、話題にもなる。さらに社内での意識の共有にも役立つ。またエコの観点からは「省エネ」「無害」等と同時に「食育」にも関連する。


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