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横浜市エコデザインワークショップ2009 第3回レポート No.1<概要>




日時:10月13日(火)14時から17時  場所:横浜市工業技術支援センターデザイン室5F
<参加者>
吉岡精工 加藤誠司さん、熊谷正彦さん 以上2名 http://www.yoshioka.co.jp/company/
山田工業所 内田進久さん 以上1名 http://www.yamadanabe.com/
遊緑地設計 高橋寛和さん、伊藤雅広さん 以上2名 http://www.ne.jp/asahi/homepage/u-ryokty/
横浜市経済観光局ものづくり支援課 岩本大さん 横浜市経済観光局ものづくり支援課 榎本まさひこさん
学生コーディネーター 小林英里、市民アドバイザー 水野貴美、市民アドバイザー 鈴木由美、
デザイナー 荒木孝、デザイナー 鈴木一好

<概要>
アイデアを展開していくための「分析する」回として、次のことを行った。
1. 第2回のまとめと第3回への活かし方について
2. ブレーンストーミング
3. ブレーンストーミングまとめ
4. ユーザー分析・ペルソナ設定
5. ワークシート作成

<内容>
1. 第2回のまとめと第3回への活かし方について
第2回の「自分が選ぶ優れたエコデザイン」の学生コーディネーター、市民アドバイザー、デザイナーの話の中には、第3回以降の「エコ+デザイン」の発想や企画の参考になることが多く含まれているので、参加企業の方に冊子として配布、ポイントを説明した。

2. ブレーンストーミング
「ブレーンストーミング」は、既存の枠組みにとらわれずに意見を発散させる代表的な手法であるが、今回その手法を使ってまずアイデアを出してみることにした。
自由、批判禁止、便乗・真似歓迎、質より量という「ブレーンストーミング」のルールを理解してもらった後に各企業のテーブルごとに実施。学生コーディネーター、市民アドバイザーもそのテーブルに参加し、アイデアを出すのを手伝った。

3. ブレーンストーミングまとめ
出したアイデアをマトリクス法で整理した。まだ初期のアイデアなので、仮の項目を設定し、暫定的に配置してみた。

4. ユーザー分析・ペルソナ設定
「ペルソナ/シナリオ法」の意義と目的を理解してもらうために「ペルソナ/シナリオ法」についての簡単な講義を行ってから作業に入った。「ペルソナ/シナリオ法」は、製品やサービスにとっての象徴的なユーザー像(ペルソナ)を設定する方法で、ユーザーの行動観察から新たなアイデアを発見し、さらにユーザーの行動シナリオにより具体的なデザインに落とし込む手法である。参加者は初めて「ペルソナ」づくりを行うので、具体的な人物像を作るのに戸惑いが見えたが、今回のようにいろいろな立場の人が参加する形式やコラボレーションでは、今後の作業でも具体的なユーザー像を共有する必要があるので慣れてもらうことも重要である。
5. ワークシート作成
製品だけ、技術だけに発想が偏らないように、ブランド戦略やプロモーションまで含めたマーケティングの全体像をいったんイメージしてもらうために、オリジナルのブランド・プロモーション戦略マップを使い、自社の商品企画の方向性を頭で整理してもらった。

<考察>
ブレーンストーミングは、冗談を言いながら行うくらいの自由度が必要であったが、参加者の方が真面目で、少々堅いテーブルもあった。次回までに各社持ち帰りで「今後の方向性」を検討してもらうことにしたが、次回はいったんデザイナーがまず各社ごとにアドバイスをして、不安感を取り除いてから作業に入りたいと思う。

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横浜市エコデザインワークショップ2009 第3回レポート No.2 <ワークショップの状況>



吉岡精工
グループメンバー:加藤誠司さん、熊谷正彦さん、岩本大さん、鈴木由美
 最初に㈱吉岡精工加藤さんより同社のポーラスチャックという多孔質体を用いた真空吸着テーブルのお話を伺った。

1. ブレーンストーミングで出たアイデアの例
 ポーラスチャックの吸着機能を利用したメモボード(画鋲などが不要、跡もつかない)。工場の入り口にある靴の埃取り。乗り物(車、飛行機など)でのコップ固定。子供・障害者むけ食器固定。地震によってスイッチがはいる吸着固定システム。空気の出力によって摩擦を軽減する事によって負荷が小さくなり楽になる製品。引き出し(高齢者にとっては小さい力ですむ)。通常の力では動かす事ができないがスイッチがはいる事によって動かせる金庫機能。独特の使用感を味わえる引き出し(VIPむけ)。台車。靴。移動器具(今までにない移動感覚)等 

2. 今回終了時点での方向性
 ・文具(吸引機能を利用したボードなど、)
 ・摩擦を軽減する事によって負荷が小さくなり楽になる製品
 これに関しては、介護現場で働く方のお話をうかがう事により、こうすればもっと楽になるなど、吸着機能や摩擦軽減機能の活かし方のヒントをもらえるのではないか。

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遊緑地設計
グループメンバー:高橋寛和さん、伊藤雅広さん、小林英里、荒木孝
 はじめに、環境を身近に感じられる様にするモノやシクミについてアイデアを出す事にした。

1. ブレーンストーミングで出たアイデアの例
 野菜の生育状況開示システム。里山間伐材のブランディング。楽しみながら自然を学ぶカルタ。商店街に畑。街に散歩できる森を作る。発電する遊具。発電するダイエット器具。ポータブルいろり。ポータブル餅つきセット(間伐材)。プラスチックがすべて竹のブランド。土の上を歩いている感覚になれる靴。魚の解体モデル。ゆかいな捨てたくなるゴミ箱。マイ箱庭。風の出るディスプレイ(樹木のざわめき)。家を建てた時に小さい模型もプレゼント(思い出)。コピー用紙を肥料に。食べ物の旬を伝える。等

2. 今回終了時点での方向性
 ・楽しみながら自然を学ぶカルタ(カード)
 ターゲットは、小学生を子に持つ「お父さん」「お母さん」、「学校の先生」「塾の先生」。
 方向性のアイデアには次の様なものが見られた。(コレクション性のあるカード型。最近子供たちの間で流行っているカードゲームの要素を取り入れる。植物などのキャラクター化。子供たちの興味を引くキャラクターを通して植物の特徴を知る。特色ある植生を地域ごとにシリーズ化。山、海辺の植物シリーズも考えられる。学校などで子供たちがカードを作る。教材を使った自然体験イベント。地域密着型、地域限定で発売。等)

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山田工業所
グループメンバー:内田進久さん、榎本まさひこさん、水野貴美
 まず、ウォーミングアップに、内田さんより提案された「プラスチックの卵ケースの再利用」についてブレーンストーミングを行った。
 次に鉄・チタン・チタンを酸化加工したものの3種類の中華鍋を現物を持参いただき説明を伺った。チタンはIHクッキングヒーターにはそのまま使えないことから、いったんIH使用は考慮しないことにした。

1. ブレーンストーミングで出たアイデアの例
 中華鍋を捨てよ。台所に置きっぱなしにしてもお客さんが見てかわいい。かっこいいもの。プロ用ではないプロ使用でセミオーダーできるもの。チタンのカッコよいイメージを活かすもの。同じ値段なら小ぶりの2個。ターゲットは、 40〜50代男性で、ホームパーティなどで自慢できる品。色は酸化加工でカラーバリエーションや玉虫色のもの。柄がとれ収納に便利。立てて収納。家庭でもアウトドア災害時にも使えるもの。燃料費がかからなければエコ。鍋以外で小物はコレクティブアイテムで。等

2. 今回終了時点での方向性
 ターゲットは、「40〜50代男性(既婚)」「20代新婚夫婦(親類からの結婚祝い)」
 現時点では、中華鍋のアイデア、それ以外のアイデアの両方がある。

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