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横浜市エコデザインワークショップ2009 第5回レポート No.1<概要>




日時:11月10日(火)14時から17時  場所:横浜市工業技術支援センターデザイン室5F

<参加者>
吉岡精工 福田勝さん、 熊谷正彦さん 以上2名 http://www.yoshioka.co.jp/company/
山田工業所 山田豊明さん、内田進久さん 以上2名 http://www.yamadanabe.com/
遊緑地設計 高橋寛和さん、伊藤雅広さん 以上2名 http://www.ne.jp/asahi/homepage/u-ryokty/
横浜市経済観光局ものづくり支援課 岩本大さん 横浜市経済観光局ものづくり支援課 榎本まさひこさん
学生コーディネーター 小林英里、市民アドバイザー 水野貴美、市民アドバイザー 鈴木由美
デザイナー 荒木孝、デザイナー 鈴木一好

<概要>
「カタチにする」回として、「ペーパープロトタイピング」の手法を学び、その制作を行った。
1.制作方法講座
「 ペーパープロトタイプ」の目的と商品開発における「ペーパープロトタイプ」の活用方法についての講義
2.ペーパープロトタイプ制作

<内容>

1. 制作方法講座

(1)ペーパープロトタイプ について
ピクチャ 1

「ペーパープロトタイプ」とは「商品やWebサイトなどハード・ソフトのアイデアを紙などを活用してユーザーの視点より視覚化したプロトタイプのこと」であるが、その目的と「ペーパープロトタイプ」を制作する上でのポイントについての概要を説明した。

(2)ペーパープロトタイプのメリットと活用について
「ペーパープロトタイプ」の様々なメリット「素早くフィードバック可能、ローコスト、開発チーム内のコミュニケーション等」を紹介、また「ペーパープロトタイプ」の商品開発での活用方法について説明した。

(3)ペーパープロトタイプの制作手順
「ペーパープロトタイプ」の制作手順について説明した。

2. ペーパープロトタイプの制作(100分)
第4回の「アイデア展開」で作成したカタログの内容をもとに、各社ごとに「ペーパープロトタイプ」の制作を行った。

まず、前回の内容を整理し、すぐに制作に入るかもう少しアイデアを整理してから制作に入るかを各社ごとに判断し、進めていった。
前回同様に、各社ごとにテーブルに分かれ、また市民アドバイザー、学生アドバイザーも各社のテーブルに入り、一緒にアイデアを出し合いながら制作を行った。

作業は、次の手順で行った。

step1 前回のアイデアをもとに、模造紙の上に三面図を原寸で、記入。
step2 厚紙に簡単な展開図を描く。
step3 はさみで切り、立体にする。
step4 必要があれば、操作盤などをペンで手描きする。


3. ペーパープロトタイプ終了時の意見交換:テーブルごとにセッション(各社10分)
作成した「ペーパープロトタイプ」をもとに、各社ごと進捗状況や企画内容を発表し、デザイナー、市民アドバイザー、学生アドバイザーと意見交換を行った。

4. 本日のまとめ
最初から「ペーパープロトタイプ」の制作に入るチームや逆にギリギリまで議論を深めてから制作に入るチームがあり、各社進め方には違いがあったが、3社ともに大変手際よく、時間どおりに制作が完了した。制作後、各社のテーブルのまわりに集まって、意見交換を行ったが、他社の方、市の担当者の方、アドバイザーからもさらにアイデアが膨らむようなアドバイスが出ていた。

<考察>
今まで少し漠然としていたアイデアも、今回の「ペーパープロトタイプ」で具体的なカタチとなり、商品としての可能性、商品化の方向性、今後具体的に検討すること等が見えてきたようだ。
次回第6回は、この「ペーパープロトタイプ」を使ってユーザー視点からの検証を行い、その結果をもとに第7回に再度「ペーパープロトタイプ」を制作する。
  


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横浜市エコデザインワークショップ2009 第5回レポート No.2<ワークショップの状況>



吉岡精工
グループメンバー: 福田勝さん、 熊谷正彦さん、鈴木由美
 
1. 前回まとめたアイデア
同社の技術ポーラスチャックの機能を活かした「人間エアーホッケー」。「微細な穴からのエアーの吹き出し」それによって「小さな力で重いものを動かす」→「浮かせる+移動」、「電源は電池でも可」等の特徴を活かした履物部分とポンプの機構入りのリュック部分からなる。

2. ペーパープロトタイプ
基本的な構想は前回の通りとして、最初から「ペーパープロトタイプ」の制作を開始した。

(1)セオリー通りに「原寸大」で三面図を描き、サイズと形状を確定、さらにデザインにも考慮しながら、制作するパーツごとの展開図をケント紙に描いています。ここで制作する「ペーパープロトタイプ」の形状がほぼ決定です。
ピクチャ 2

(2)パーツごとに紙を切り出します。履物部分は実物の靴を使ってサイズと形状を調整しています。
ピクチャ 3

(3)切り出したものを立体に組み立てています。
ピクチャ 5

3. ペーパープロトタイプ終了時の意見交換
このアイデアの使用方法や想定している技術を介護等の別の場面で使ったアイデアやアドバイスが、他社の方々、榎本先生、岩本さん、アドバイザーから出ました。またポンプ機構を入れる場所のアイデアやパワースーツのような形状等のアイデアも出ました。アイデアが立体的なプロトタイプになると使用場面がイメージしやすくなり、いろいろなアイデアが出てきやすくなります。

ピクチャ 6

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遊緑地設計
グループメンバー: 高橋寛和さん、伊藤雅広さん 、小林英里
 
1. 前回まとめたアイデア
前回のアイデアに関連する部分から入ったが、本業に関連する部分での受注型からの脱却、ビジネスチャンスの拡大等、設計事務所としての問題点の整理や意見交換を行い、最終的には環境分野での社会貢献型のビジネスとして「屋上緑化」への展開に至った。

2. ペーパープロトタイプ
前回アドバイス「デザイン事務所のビジネスモデルの構築」と同社の「受注型からの脱却をしたい」という希望から「屋上緑化」のアイデアが出ていたが、今回「ペーパープロトタイプ」の制作に入る前にさらにアイデアを発展させました。

ピクチャ 7


再度検討の結果、「ペーパープロトタイプ」で制作するものは「移動ができる、組み合わせができる庭」(庭と盆栽の中間のもの)となった。

仕様
・モジュール型の庭の素材
サイズ検討中、今回のプロトタイプはW300×D300×H100mmのプラスチックまたは素焼きのものを想定(移動頻度/植えられる植物などを考慮する必要がある)。
・レンタル/入れ替えサービス
数週間単位などのレンタル制を想定
設置/撤去はこちらが行う(定期的な会社の収入にも繋がる)
・組み合わせ無限
モジュール型なので、お客様がレイアウトをデザインできる(カタログ/インターネットなどを利用)
季節や用途に合わせて組み合わせを提案
特徴
・工事しなくて良い
通常屋上緑化する場合には土を入れる前にシート防水などの行程が必要になるが、この商品はモジュール型なのでその必要がなく、屋上緑化の敷居を下げられる。
・管理しなくて良い(レンタル制)
一般的な屋上緑化をした場合にはその後の維持管理に労力が必要であるが、この商品はレンタルサービスなのでベストな状態にメンテナンスされたものが定期的に提供される。
・やめたい時にやめられる
シート防水などの工事を必要としない移動可能なモジュール型の緑化システムなので、撤去・レイアウト変更が容易である。

使用場面案
・屋上、ベランダ、イベントでの一時利用、ロビー/エントランスなどの室内、遊休地の一時利用、農作物栽培(ハーブ/ベリー/野菜/珈琲)、屋上でアウトドアライフ

(1)プロダクトとしての概要が固まり、サイズと形状を確定、「ペーパープロトタイプ」の制作開始です。
ピクチャ 8

(2)出来たばかりの「ペーパープロトタイプ」を前にして、さらに議論を深めました。
ピクチャ 9

3. ペーパープロトタイプ終了時の意見交換
展示会や家庭等、使用される場面のアイデアが他のメンバーからもいろいろ出ました。また榎本先生から芝の沈みに対しての縁のデザイン等プロダクトとしての検討箇所の指摘も出たりとかなり具体的なレベルでの意見交換となりました。
ピクチャ 10

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山田工業所
グループメンバー:山田豊明さん、内田進久さん、水野貴美
 
1. 前回まとめたアイデア
「中華鍋の会社がイタリアン鍋を作った!」という切り口で、「熱しやすく冷めやすく味がよくしみ込む」という特徴を活かした「新しいエコクッキング」を提案。特徴としては「弱火でOK」「チタンは体に入っても心配ない」「本当の野菜の色が出る」さらに「鍋と把手を一体化させてそのまま食卓に出せる」等がある。

2. ペーパープロトタイプ
「ペーパープロトタイプ」の制作に入る前に、同社の中で検討してきたことの説明、さらに市民アドバイザーから実際にチタン鍋を使っった感想があり、それらをもとにさらにアイデアを深め「味がしみ込む鍋」とすることにしました。

(1)制作に入る前のアイデア展開。料理方法、サイズ、使い勝手等、具体的なアイデアレベルの展開です。
ピクチャ 11

(2)鍋底の3次曲面を表現。この段階としては、かなり精密な「ペーパープロトタイプ」となりました。
ピクチャ 12

(3)出来た「ペーパープロトタイプ」を前にさらに議論を深めました。
ピクチャ 13


3. ペーパープロトタイプ終了時の意見交換
具体的な形状がイメージ出来るリアルな「ペーパープロトタイプ」なので、話にも説得力が出てきました。榎本先生からは、料理の専門家の意見を取り入れること等のアドバイスがありました。
ピクチャ 14